「風の音に尺八の演奏を絡ませていく。そんなことをしているのかな」

掛川市二の丸美術館で、美術家の白井嘉尚静岡大教育学部教授・地域創造学環担当の個展が開かれている。1Fの展示室には、白井さんが1980年に静岡大学に赴任して以降の作品が、シリーズごとに並んでいる。3月に大学教員としての定年を迎える美術家の、これまでの歩みを振り返る個展となっている。

展示されているのは、「フリージグソーパズル」(1980年代前半) 、「シャーベットのように」(1980年代後半) 、「版によるドローイング」(1990年代)、 「森のなかの花」(2000年代)  の4シリーズ。「フリージグソーパズル」と「シャーベットのように」は作家が30代、「版によるドローイング」が40代、「森のなかの花」が50代、60代に創作してきた作品群だ。  「フリージグソーパズル」は、赤、青、黄といった鮮やかな色合に塗り分けられたパズル一片一片を、一定のルールに従って配置した作品群である。ルールを定めることで、配色が自律的に決まり、作家の意図や好み、傾向が出ないようにしている。フォーマットに基づいた作業がもたらす偶然性/必然性が希求されている。

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