―友人のゴンドウトモヒコさんにプロデュースを依頼した理由を教えてください。また効果はどのように生まれたと思われますか?

小島 僕はアコースティックギター弾き語りのアーティストですが、弾き語りでは出せない鮮やかなサウンドに触れてみたかったというのがあります。ゴンドウさんはYMOサポートやMETAFIVEメンバーとして大活躍中ですが、彼のデジタルの質感と温もりあるブラスサウンドを同居させるアレンジワークに感動して、プロデュースをお願いしました。今回のアルバム楽曲はアコースティックとデジタルが行き交い、混じり合う、本当に豊かなサウンドになったと思います。特にホーンアンサンブルは、一本のギターで紡いだ歌詞の世界を、より立体的に広げてくれたのではないでしょうか。

―「東京カモメ」に登場するカモメはどういった人のことを思いながら作った歌ですか? 実は個人的に私自身この曲にとてもシンパシーを感じています。

小島 カモメは自分そのものですね。ギターを背負い、空に憧れて東京にやってきたわけですが、みんなが等しくがんばれば飛べる、というわけではなかった。周りがうまくやってたりするのを横目に、気づけばいい年になってた。「東京カモメ」は上京して19年経って、今だから歌える歌を歌いたくて作りました。無責任に「いつか飛べる」という歌詞は書きたくなかった。飛べなかった、だけど、ただそれだけ、ということを書きたかった。夢を追いかける誰かに「がんばれよ」と背中を押せる歌ではないかもしれない。だけど走り続けたり、立ち止まったり、道を変えていく誰かの隣に、静かに寄り添える歌になれたらいいな、と思っています。

― ありがとうございました。

(文責/聞き手 DARA DA MONDE 小林稔和)

『はるやすみのよる』…『It’s a cry run』に続く2年ぶりとなるフルアルバム。5月23日リリース。ジャケットのイラストは、宮沢賢治の作品などを多く手がける小林敏也氏。全11曲。同郷の写真家若木信吾氏が監督した映画『白河夜船』の劇場歌なども収録。(発売元:愚音堂/SPACE SHOWER MUSIC、税込価格:2,500円)

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