ーこれまでに7冊の絵本を出版している韓国の出版社AGAWORLDとのつながりは?

前原 イタリアのボローニャで開かれている国際児童図書の見本市に出向いて、片っ端から売り込みました。そのときにAGAWORLDの担当者が気に入ってくれて、一緒に仕事をすることになったんです。韓国で人気が出たみたいで、継続的に絵本を出版しています。

これまでに海外で出版された絵本。絵の部分は、得意とするコラージュ(貼り絵)が中心。

 

ー パリのDJ集団「Craki」のメンバーとしてDJ活動を行なっている他、オランダやアメリカのレーベルから、Motomitsu名義でアルバムも出し、アコーディオン奏者としても活躍しています。

前原 ヨーロッパでは、音楽活動が日常に溶け込んでいます。バーやカフェにはDJブースが当たり前に設置されていますし、野外イベントも盛んですし、カラオケに行く感覚くらいでクラブに行ったりします。僕自身日本にいるときより、音楽活動に従事する機会は多いですね。2014月に韓国で発売した絵本「Dancing Hearts」のテーマは「No one can stop our dancing hearts」で、日本語に訳すと「踊る心は誰にも止められない」。ストーリーは、日本でダンス規制の議論が盛んだったときに、つくったんです。踊る文化が根付いているヨーロッパではダンス規制は考えられないと思います。またバンドでアコーディオンなども弾いているのですが、フランスは多民族国家なので、メンバーの国籍も多種多様で、ポルトガル、アメリカ、イギリス、ドイツ人と一緒に、フォーク・ロック・ミュージックを主にバーで演奏しています。

パリのカフェでアコーディオンを演奏する前原さん。(前原さん提供)

 

ー 2016年にはLITTLE CLEATURESの最新アルバム「未知のアルバム」のジャケットデザインも手がけています。これからも仕事の幅はさらに広げていきますか?

前原 僕の表現活動の軸は、ずっと音楽、詩、アートでした。ただ、それぞれの活動が、どちらかというと単体で動いていたんですよね。これからは、音楽制作や絵本制作、詩作を重ね合わせるような活動に発展させていきたいです。音楽も絵本も国境を越えて人の心を躍らせるので。それと、先日、スイス人ジャーナリストがまとめた東日本大震災の被災状況をテーマにしたフォトブックの日本語訳も手がけました。海外に住む日本人として、外から日本の状況を把握したり、逆に、日本人の視点でフランス社会を把握したり、独自の視点で活動できたらなと思っています。

ー ありがとうございました。

文責/聞き手 小林稔和(取材日2017年7月20日)

※前原さんの絵本に関する日本国内の問い合わせは浜松市中区の絵本専門店キルヤまで。

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